ヨコシマ

これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音/双極性障害・パニック障害/20190602💍病気ながらも旦那さんが大好きな日記

持病のこと

シマヨウコです。
双極性障害パニック障害を併発して、メンタルクリニックに通っています。

双極性障害というのは一般的に躁鬱病といわれるもので、躁状態のときは本当に無敵な気持ちと体調になれます。ある程度寝なくても平気だし、日帰りで熊本←→鹿児島高速ひとり旅とかしちゃう。一日に三人とか四人と会う約束して、それを完遂しちゃう。無敵です。でもその無敵状態って、マリオで言うスター状態みたいなもので、長くは続かなくて、そうすると鬱期がやってきます。
鬱期はもう最悪で、何に対してもやる気が起きず、眩暈と動悸(通常時が100〜120あるのでお医者さんに引かれます)と脱力感がとにかくひどく、仕事も家事も日常生活も何もかも手につかなくなります。何をするにも決断に時間がかかり、行動に時間がかかり、その決断は往々にしてその場に相応しくなく、結局周囲に迷惑をかけてはやり直し……そんなことばかりが続きます。
そうなるとパニック障害もつられてやってきます。
何をしたらいいのかわからない、悲しくないのに涙が出てきて、心臓は中でスーパーボールが跳ねまわってるんじゃないかってくらい不規則かつ激しく騒ぎ、汗が止まらず呼吸が乱れる。

みなさんが想像する、THEメンタル系発作ってかんじで概ね間違いありません。

パニック障害は22から、双極性障害は今年の春から診断名がつきました。

旦那さんは昔からの知り合いで、もちろん私のメンタル不全のことも知っています。出先で体調が悪くなったとき何十分でもベンチの隣に座って待ってくれたこともあるし、帰り際車の中で落ち着くまで黙って傍にいてくれたこともありました。
旦那さんのそういうところにかなり助けられて、この人となら結婚しても私を分かってくれる。私を大事にしてくれる。そう思うことができて、結婚に至ることができました。

前置きが長くなりましたが、けれども昨日、ふと思ったのです。
(私はいいけど、旦那さんは?)
精神障害を持った嫁を抱えて(そうでなくても元々体もそんなに強くない)、まだまだやりたいこともあるだろう27の歳に、わざわざ私と結婚するメリットって?
自分で言うのもなんだけど私はなかなかの事故物件。心身ともに不健康、顔も大してかわいいわけではなければスタイルも良くはなく、性格もこんな具合なのでおしとやかさとか慎ましさとかそういうものの欠片もない。お菓子とか勧められた日には一度は断るなんて定型文をまるで無視して「え〜??いいんですか〜〜〜?!すごくうれしい〜!私これ大好きなんです〜!!!!」と小学生ばりの卑しさで受け取ってしまう女です。
旦那さんを立てるなんてことも上手ではないし、自分の中の倫理観とか正義感がとってもややこしく、よく自分で身動きが取れなくなってしまいます。
なんとも生きるのが下手くそな人間なのです。

鬱期のピークだった昨日、私は旦那に「なんで私と結婚したの」とありとあらゆる液体を顔から垂れ流しながら尋ねました。バカ素直なので気になってしょうがなくなったことはもう気になってしょうがないので本人に聞いてしまうのです。
旦那さんは困ったなあとしょうがないなあが混じった優しい顔で「一緒にいると安心するからだよ」と言いました。

いやいやそんなわけはない。

こんなメンタルガッタガタの、折れ線グラフにしたらピカチュウのしっぽみたいな女と一緒にいて安心できる訳がない。
私がピカチュウならば話は早い。かわいいもん。一緒にいたい。一緒にご飯食べて一緒に冒険していざというときには戦うこともできる。おまけにかわいい。なんて安心感。私もピカチュウに生まれればよかった。せめてピカチュウに似た女になりたかった。気分の浮き沈みのグラフだけじゃなくて。もういっそデデンネとかでもいい。なんかピカチュウに似てるし。デデンネとかになりたい。七夕様にお願いしとこうと思います。
『来世はデデンネにしてください。』
どう考えても27のお願いとしてはキツいですが致し方ありません。だってデデンネでも戦えるしかわいいもん。たぶん私より安心感はあるはずです。

とにもかくにも、バカ素直な私はその回答を聞いて「うそだあ〜〜〜」と輪をかけて泣きました。もしかしたら旦那さんにとっては、それが素直な本心だったのかもしれません。けれども、一般的にそれを私と家族となり一緒に暮らす魅力として挙げたのだとしたらあまりに不適切な気がします。だって私は私自身が夏の低気圧のように不安定で、とても他人に安心を提供できるような女ではありません。ピカチュウでもデデンネでもないのです。

一昨日だって朝からお風呂に入り、見事にお風呂に敗北し(このへんはメンタル持ちあるあるです。お風呂は意外と体力を消耗するのです)、脱衣所に全裸で座り込み、仕事に行く旦那さんを全裸で見送り、その後会社に休みの連絡を入れ、辛うじて着た下着のまま這って布団に移動、一日中睡眠。晩御飯はかろうじて作ったものの、帰ってきた旦那さんは洗い物(これは毎日旦那さんがやってくれる)、やり始めたものの途中で力尽きてしまったお弁当の作り置きの仕上げ(アホなので元気なときにやればよいのにどうしてもがまんできなかった)まで文句一つ言わずに粛々と片付け、私は「もう何もしなくていいから早く寝な」と抱きしめられ、すごすごお布団に入ったら旦那さんのまわしてくれる掃除機の音のなか安らかに睡眠。

いやいやあまりに旦那さん完璧すぎる。
いや違った、私が旦那さんに安心を与えられる要素がどこにあるんだ?
何度読み返し思い返しても心配と迷惑しか与えていません。

もうどうせなら「顔」とか「身長が低いとこ」とか「優しいとこ」とかそんな無難でなんとなく納得できるようなことを言ってくれればよかったのに、よりにもよって「一緒にいて安心するからだよ」。…………いやいやいやいやそんなわけはない。医者と患者の関係性かなんかか?どう考えても患者が私だし?

結局その日は納得できる答えは出ず、ただあまりにも旦那さんが優しい顔で「ヨウコはがんばってるよ。すごいよ。いいこだよ」と抱きしめ、どこそこかわまずチューしてくれることで事なきを得た(?)のですが、私のことを私以上に肯定してくれる彼のために、私も事故物件脱却を目指していかねば……と強く思った次第でありました。

ちなみに私は旦那さんのこういった思いやりに溢れ、人を褒めることを恥ずかしいことと思わずきちんと感謝の気持ちやいいと思った事も伝えられるところ、他人のために何かを為す(家事とか)ことを全く苦とせず、それに対して恩を売ろうとしたり対価を求めたりしないところ、そして怒ったときも冷静にお話ができるところ、自分のやりたいことはちゃんと伝えられること、デートコースを考えてくれるとこ、フレンチトーストなんて簡単なものを作っても「こんないいもの食べてもいいんですか?!」と目を輝かせるところ、私の出すご飯をなんでもおいしいおいしいと食べてくれる好き嫌いのないところなど書き始めたらキリがないのですが、そういうところを人間として尊敬しています。
いつも機嫌よく笑っていて、こんな人間になりたいなあも思わせてくれます。
だからこそ、事故物件の私と結婚してくれたことをありがたいと思う反面、なんとなく心苦しさがあります。

はやくこの後ろめたさがなくなって、彼が私を受け入れてくれているように、私も私を受け入れてあげたいです。
少しずつ夫婦になれていけたらいいなあ。



シマヨウコ