ヨコシマ

これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音/双極性障害・パニック障害/20190602💍病気ながらも旦那さんが大好きな日記

鬱期明け仕事のこと

シマヨウコです。
年度始からやたらイケイケムードで仕事も前倒し進行良好、4月末ちょっと調子悪い日あれどまあ回復も早く、健やかな5月、そして入籍の6月を迎えていた私ですが、ここまでお読みのみなさんはお察しの通り、見事に調子乗りまくり躁期患者の典型パターン。
躁期があって、鬱期がある。反動があるから病気なのです。元気な人はずっとそこそこに元気なんだもんね。急に狂人みたいに元気になったり、かと思えば人間生活もままならなくなったりしませんもんね。うんうん。

というわけで、先週・先々週とそりゃあもうひどい落ち込みの波が私を襲いました。梅雨も追い打ちをかけるかたちで、この地球はそんなに私に人間をやめさせたいのかと梅雨前線に恨みを募らせながら、仕事に行っては朝礼前にダウンしては帰り、そもそも仕事に行くことすらままならず、挙句社外研修で体調を崩しありとあらゆる人に迷惑をかけながら家まで送ってもらう始末。
人間スレスレの生活を送りながら「強くなりたい……力がほしい……」と布団の中で唇を噛みました。

今週に入って大分気分の落ち込みも落ち着き、先週分の遅れを取り戻そうと張り切って出社したのですが、先週分の書類処理、自分の結婚に関する諸々の手続き、間に合わせなければいけない最低仕事量の業務、エトセトラ、エトセトラ。
どれもこれも入社4ヶ月の私ひとりで手に終えるものではなく、上司を捕まえ分からないところを訊き、そうこうしていたら他の人の仕事まで進まなくなる地獄の連鎖。
「○時までに報告してね」も見事に忘れ、注意され、迷惑をかけてはいけないと怒られ(そりゃそうです)、私は私で報連相ができない人間がめちゃくちゃ嫌いなので、自らがその社会規範を乱す人間になってしまったという自己嫌悪の大波にあっという間に呑み込まれ。
せめて人は他人に迷惑をかけないような整理整頓でもしようと気を利かせようとすれば、下っ端が手を出していい場所ではなかったらしく、ひたすら怒られました。もうめちゃくちゃ怒られました。なんで勝手にそんなことするのって言われました。

だ"っ"て"、な"に"も"で"き"な"い"か"ら"あ"……!!!!!!!!!!!!!

やることなすことすべて裏目に出た就業後、泣きながら運転して向かったメンタルクリニックでその日のことを全部お話しました。先生は笑いながら「それはね〜、がんばりすぎてるんですよ」と言いました。「もっとそこそこでやらないと」。
いやいや、そこそこも何も仕事には期限が決まっているし、それを破れば他人に迷惑がかかります。上司も心配はしてくれるけれど仕事に対する圧にはなかなかのものがあります。それを無視して仕事を頑張らないということは、仕事が仕事にならないということです。
「私は、私という人間は、これぐらいかこれ以上無理をしないと普通の社会の中で生きていけない、まともな安定した職に就けない人間だと思っています。だから、頑張らなければお金も稼げないし、生活もしていけないと思います」
そう伝えると先生はこうおっしゃいました。

「いやあ、でもみんなそこを上手くやって生活してるんだよ」

なるほど。
つまり、パニック障害双極性障害を抱えながら週5日・9:00〜17:00のオフィスワークを続けることにこの上ない体力・精神の消耗を強いられているのは、私が上手くできていないからというわけです。
病気あるからではなく、ましてそれがひどいからでもなく、私が私の生活を上手くコントロールできず、ひとりで空回り、周囲に迷惑をかけ、自らの自己肯定感を下げては酷い鬱期を自分で作り出しているだけ。そういうことになります。
だって、みんな上手くやっているというのです。
「上手くやっているというのは、どんな職業の方なんですか?」
往生際悪く私は聞きました。「会社員とか、公務員とか、学校の先生とか。みなさん働いてらっしゃいますよ」。
しがない営業職の私。休憩しようと思えば就業中にいくらでも時間の調整はできます。そんな私より遥かに拘束性の高い職業の方々が『上手くやって』『みなさんちゃんと働いてらっしゃる』。

すごい絶望感でした。
私が仕事ができないのは病気のせいではなく、ただただ私のせい。私がうまくできていないせい。
それを突きつけられてしまいました。

帰ると、旦那さんは大好きなゲームのためにWi-Fiの設定をしていました。けれどもすぐに私の死にそうなオーラに気がついたのか手を止めて、その両手をLANケーブルから私の背中に回してくれました。

私は泣きながら今日あったことを全部話しました。仕事がことごとくできなかったこと。みんなに迷惑をかけたこと。病院で受けた診断結果が「もっと上手くやりなさい」だったこと。
全部が全部ほんとにつらくて、一週間ぶりに仕事に行けた自分を全く褒めてあげられなくて悲しくて、つらいこと。
もちろん、誰も自分の頑張りを認めてくれないこと。

旦那さんは全部全部話を聞いて、私の頑張ったけれど駄目だったことをひとつひとつ、フォローしたり、つらかったねと受け入れてくれたり、ほめてくれたりしました。
他人のマイナスな感情のためにこんなに心を砕いて言葉を尽くすことは、たいへん消耗する行為だと思います。けれども旦那さんは大好きなゲームの設定よりも私の話をしっかりと聞いてくれる。
すごくすごくつらくて悲しかったけれど、それだけで本当に救われました。

鬱期が来て、梅雨が来て、溜まっている仕事が私を追い立て、世界のありとあらゆるものに嫌われている気がしていた私は、旦那さんの1時間をもらえるだけでまた生きていける。単純だけどそう思えました。

ちなみに、その後友人から「カラオケ行きてー」とこの上なくシンプルなLINEが届き、三人でしこたま歌いまくってきました。帰り際は眠たくてよろよろでお肌のお手入れどころか髪も乾かさず眠りについたのですが、旦那さんの1時間と同じくらい元気が出ました。
ほんと、バカ素直で根気がなくて、楽しいことが大好きな女なのです。本来の私は。



シマヨウコ